都市への伝道

21世紀におけるキリストの愛情深い同情をモデルとして
包括的都市伝道

2011年10月

挑戦

大都市伝道

 世界の都市はセブンスデー・アドベンチスト教会にとって手強い挑戦である。世界人口の半分は都市に住み、世界全体では約20万人が毎日農村地域から都市郊外へ移住している。これは一年で約7千万人になり、一分間に130人ともいえる。(www.worldchanging.com)
 「2008年には史上初めて世界人口の半分が都市に、残りの半分が農村地域に住むようになった」(Population Reference Bureau, 2010) 「1950年には当時の世界人口25億人のうち、30%未満が都市に住んでいた。国連によれば、2050年までには推定100億人の世界人口のうち都市人口が70%以上になる」(Christianity Today, Urban Urgency, August, 2010)
 長年にわたり、忠実なセブンスデー・アドベンチストは世界中の大都市に住みながら、自分達の信仰を効果的にわかちあってきた。この「都市への伝道」という取り組みは献身した行政者、牧師、そして信徒伝道者達がこれまで都市でキリストのためにしてきて、現在も続けている働きを力強く支持している。それはまた、既存の伝道活動を発展させ、神が御自身の民を通じてなされている働きを強めるだろう。それでもなお、我々の勤勉な努力にもかかわらずセブンスデー・アドベンチスト教会は世界の多くの大都市において比較的小さな存在でしかない。世界の人口密集地における我々の感化力は主が御自身の教会に望まれているものよりもはるかに小さい。その使命は主の心に深く刻まれている。主は「一人も滅びないで皆が悔い改めるようにと」(第二ペテロ3:9)忍耐しておられる。神は「すべての人々が救われて真理を知るようになることを」(第一テモテ2:4)望んでおられる神である。神の憐れみに満ちた心は失われた人々を見て張り裂けている。新約時代の教会は都市の人々に伝道するというキリストの未来像を認識し、エルサレム、アンテオケ、エペソ、ローマ、さらには地中海地域のいたるところに教会を建てた。

神の勧告

 イエスは都市を愛しておられる。なぜならイエスは人々を愛しており、都市はほとんどの人々が住んでいるところだからだ。福音書にはイエスが地上におられたとき、絶えることない情熱をもって都市に住む人々に伝道しておられる姿が記されている。
 「イエスは町や村を残らず回って、会堂で教え、御国の福音を宣べ伝え、ありとあらゆる病気や患いをいやされた。また、群衆が飼い主のいない羊のように弱り果て、打ちひしがれているのを見て、深く憐れまれた。
そこで、弟子たちに言われた。『収穫は多いが、働き手が少ない。だから、収穫のために働き手を送ってくださるように、収穫の主に願いなさい。』」(マタイ 9章35~38)
 人々の心を動かすイエスの伝道方法の基になっているのは深い憐れみである。主は御自身が教えられたとおりに地上で生活された。キリストの方法とは御父の名によって人々の必要を満たし、御父の愛と真実を破壊され傷ついた1世紀の世界で分かち合うことであった。(ミニストリーオブ ヒーリング p. 115) 主が1世紀で用いられた方法は21世紀になっても変わっていない。
 都市に住む多くの人々に働きかけるための広範な、将来を見通した計画に関して聖霊はエレン・ホワイトの心を揺り動かした。ここに、都市における我々の働きについて最も重要な2つの記述がある。
 「神が過去に送ったメッセージに変化はない。都市での働きはこの時代に必要な働きである。神がなさるかのように都市において働きがされるならば、我々がいまだかつて見たことのないような力強い運動が結果として現れるであろう」(Medical Ministry p. 304)
 「大都市において我々の方法を確立することの重要性はずっとそのままであることが私の目の前に示された。主は長年にわたってこの義務に目を向けるように我々を促してきた。しかしながら、大都市の人口と比較してみると我々はほとんど何もなしとげていない。もし我々が断固たる決意を持ってこの働きに向かわないならば、サタンが困難を何倍にも増幅してその克服を簡単にはできなくしてしまうだろう。長い間見過ごされてきた都市で本来ならばなされてしかるべき働きがされなかったので、我々はこの働きにおいて非常に遅れている。この働きは、今となっては数年前よりもいっそう難しくなるであろう。しかし、我々が主の名においてこの働きに取り掛かるのであれば、その障害は取り壊され、はっきりとした勝利は我々のものとなる」(A Call to Medical Evangelism and Health Education p. 14)

神の勧告の適用

 エレン・ホワイトが神によって鼓舞された都市伝道の幻には、イエスの伝道をモデルとした肉体的、精神的、社会的、ならびに霊的な伝道方法が統合された包括的な都市伝道が含まれている。それにより我々は伝道において牧師と信徒が結合し、機関と伝道局がともに協力しあい、教会にある信徒訓練学校、ならびに都市と郊外にある訓練施設がイエスのために一致して都市へ働きかけている姿を心に描く。それは全ての組織と教会員が一人でも多くの人に伝道するための将来を見通した戦略に関わることを意味する。
 この文書では、都市に住む人々に対して包括的かつ持続的な伝道方法が提案されている。それには霊的リバイバルの発展を促すこと、友情を築くこと、人間関係を構築すること、個人的な伝道、健康伝道、青年伝道、コミュニティサービス、家庭集会、文書配布、影響力の集約、社会的弱者への伝道、メディア伝道、大衆伝道、ならびに教会の組織などが含まれる。さらには我々の全ての医療機関と教育機関が含まれる。それは教会の全ての分野での活動的な働きであり、そこでは役員、機関の指導者、牧師、教育者、健康関連の働き人、チャプレン、文書伝道者、そして最も重要である信徒が働いている。世界の都市とその周辺に住む全ての教会員が自分達の信仰を活発に分かち合うように励まされる。世界教会の全ての信徒は、神の霊が大都市に住む人々の心に霊的関心を起こし、神の終わりの時のメッセージを受ける準備ができるようになることを熱心に願い求めるようにと促される。
 都市に住む何千万人の人々がキリストを知らず、世界に向けて与えられた主の終末のメッセージについて無知である状況では、我々は満足できない。しかし、この都市に住む非常に多くの人々に伝道するという働きは、我々の能力をはるかに超えたところにある。どんなに綿密に練られた戦略をもってしても神の定めた目標を達成することはない。ただ、聖霊が我々の計画に命を吹き込み、我々の働きを力強めるときにその計画は効果的なものとなる。霊的復興は我々の全ての働きの心でなされる。リバイバルは最も重要なものである。なぜなら「多くの祈りによってなしとげられ、キリストの功績によってきよめられた働きだけが、善に対して力のあるものであったことが最後にわかるであろう」(各時代への希望 中 p. 100)。 都市で働くようにとの召しは個人的なものである。それはキリストとのより深い交わりへの招きであり、包括的な計画とその実施と同様に、熱心な執り成しへの使命でもある。それはリバイバルと改革という土台の上に完璧に建てられたものである。なぜならそれは聖霊の力によってのみ成し遂げられるからである。

神の勧告の実施: 計画

 この計画は、2012年から2015年にニューヨーク市を初めとして、世界の650以上の主要都市での包括的な伝道活動を構想している。なぜニューヨークなのか。ニューヨークは世界で最も人口が多く、影響力の中心でもある都市の一つだからである。ニューヨーク都市圏の人口はアメリカ合衆国最大であり、ほぼ1,900万人が17,400平方キロメートル以上の土地に住んでいる。ニューヨークは世界的な商業、金融、メディア、芸術、ファッション、研究、技術、教育、そしてエンターテーメントに大きな影響を及ぼしている。ニューヨークでは800以上の言語が話され、言語的に世界で最も多様な都市となっている。また国連本部もある。世界の国々はニューヨークを見つめ、そしてニューヨークで見受けられる。ニューヨークの人々に働きかけるということは世界の文化に働きかけるということである。
 ニューヨークと言えば、主の使者がこう宣言している。「この働きは、その達成へと導く同じ霊の力によって続けられるべきである。このニューヨークと言う大都市での働きの重荷を負うものは考えられる限り最高の働き人の助けを得るべきである。ここを神の働きのための中心として、ここでなさされる全てのことを主が世界中で行われるようにと望まれる働きの象徴としなさい」(Testimonies for the Church Vol. 7 p. 37)
 世界総会、北アメリカ支部、大西洋ユニオン、コロンビアユニオン、大ニューヨークカンファレンス、北東カンファレンス、ニュージャージーカンファレンス、ならびにアレゲーニー東カンファレンスは、ニューヨークのための将来を見通した包括的伝道戦略を発展させることに協力している。それは、霊的リバイバルの育成、教会員を備えさせること、広範囲かつ多様なコミュニティー伝道、個人的な伝道と公の伝道、教会組織、新しい教会員の持続的な育成を含んでいる。我々が教会員を促し準備させ、継続して進行中の伝道活動に活発に参加させなければならない。なぜなら主要な公共伝道集会では目的を達成できないからだ。聖霊の導きのもと都市伝道を強調し続けることは神の国のためにより多くの人々に絶えず働きかけることになる。
 「都市への伝道」の主要な強調点は、ニューヨークの様々な人種や言語を対象として2013年の6月に150から200の伝道集会を執り行うことである。世界中の支部で、それぞれ最高の伝道者達がこの大規模な伝道活動に参加するように要請される。それは懸命に継続された準備と種まき段階の伝道活動の最高潮となるであろう。すでに示されたようにこれらの活動は2013年6月の伝道集会のあとも継続される。2013年6月の伝道活動の間、都市への使命と伝道の全ての側面に焦点を当てた「都市伝道の国際実践学校」が現地と海外の伝道者達のために開かれる。
 この5年にわたる計画全体の一部として、世界に13ある支部は近い将来におのおの支部内の地域で一つの都市を選び、その都市の人々へ働きかける包括的伝道戦略をこの文書の追補にある予定表に従って発展させる。支部の指導者達はそれぞれの支部で適用可能で継続できる伝道戦略を構築する必要がある。これらの大都市圏で伝道するためのマスタープランを予算と同様に作る必要がある。
 目標は各支部が2014年の初めまでにそれぞれの支部内の選出された都市で主要な収穫の伝道キャンペーンを行うことである。
 計画全体の一部として、130近くのユニオンはそれぞれ所属する支部の指導のもと、近い将来に各ユニオン内の地域で一つの都市を選び、その都市の人々へ働きかける包括的伝道戦略を発展させる。文化的多様性と各ユニオン独自の特徴と調和を持って伝道戦略は構築され計画は実施される。都市伝道の経験者達によって研究と議論がなされる。目標は各ユニオンが2014年の第4四半期にそれぞれのユニオン内の選出された都市で主要な収穫の伝道キャンペーンを行うことである。
 さらに、計画全体の一部として、500以上のカンファレンス/ミッション/フィールドはそれぞれの地域で一つの都市を選び、その都市の人々へ働きかける包括的伝道戦略を発展させる。カンファレンス/ミッション/フィールドの行政者は地域の牧師たちと一緒に選出された都市と現地の教会への包括的伝道の取り組みを2015年のサンアントニオ世界総会のまえに発展させる。
 ここまで大規模な取り組みを成し遂げるということは、行政者、機関の指導者、牧師、そして信徒が参加するということである。それは教会と組織、カンファレンスとサポートする伝道部門、成年者と若者、男性と女性、そして子供、という我々全員が参加するものである。これは主要な都市で650以上の伝道集会を開くことである。確かに収穫の要素が強調されて入るが、この取り組みは全ての要素を含む包括的な戦略である。それは教会組織の全てに対して失われている人々への伝道と働きかけを優先するように促すものであり、特に人口の集中している都市で継続的かつ持続的に行われることが望まれている。

神よりの働きかけと個人的献身

 神の心は世界の都市と大都市圏の失われた人々を失意に満ちている。これらの計画を実行に移すのは非常に大きな未来像と信仰を必要とするだろう。しかし、我々は主が我々に望まれる基準にほんのわずかでも達しないということがあってもよいだろうか。都市の何千万という人達がイエスとその愛をまったく知らないでいるのに我々はその状況に甘んじてよいだろうか。地球上の大部分の人々がこの歴史上重要な時に神の特別な真実と三天使の使命を知らないでいるのに我々は現在の成長率に満足できるだろうか。どうか我々が神とともに都市への伝道という神の使命に参加することで心を躍らせるように。どうか神の心にある重荷を我々自身の心の重荷と認識するように。どうか我々が神によって開かれた目で現状の向こうを見据え、何ができるかそして何が起こるかを見通すように。どうか我々が信仰によりビジョンを描き、幾万ものセブンスデー・アドベンチストが主の証人となり活動的に伝道し、主の弟子を育てることを確信するように。どうか一つ一つの部門が伝道に焦点を当てるように。どうか全ての教会が伝道の精神に満ち、世界の大都市で何千もの新しい教会が組織され、何万もの新しい信者が三天使の使命という栄光にあふれる希望を喜ぶように。「神が働くように都市で働きがなされるとき、その結果は我々がいまだかつて目にしたことがないほどの力強い運動の働きである」(Medical Ministry p.304)ということを覚えていなさい。神は力強い運動を約束された。我々が神の前にへりくだり、我々の計画を神の足元におき、聖書と預言の霊の指示に従い、聖霊に我々が天より与えられた働きを成し遂げるための力を願い求めるとき、神は御自身の約束をはたされる。我々は熱心にまもなく再臨されるキリストを待ち望んでいる。そのとき大都市と地方から救われた何千、何万という人々は空中で主に会うためにともに上昇する。そして新エルサレムにある我々の家に案内される。そこは究極の都市であり神の民が永遠に住む安全な天国である。だから我々は「都市への伝道」のための神の包括的な計画に献身しよう。

追記:提案された予定表

2011年 10月GC年次理事会で発表 「都市への伝道-包括的都市伝道」
同年 11月支部年次理事会で発表 「都市への伝道
GCでの伝道シンポジウム
2012年 4月GC年央理事会で支部のターゲットとなる都市の発表
同年 5月13の支部により選出された都市で「都市への伝道」の発動
包括的戦略と行動計画の発展
同年 10月GC年次理事会でユニオンのターゲットとなる都市の発表
同年 11月支部年次理事会でユニオンのターゲットとなる都市の発表
2013年 4月ユニオンにより選出された都市で「都市への伝道」の発動
包括的戦略と行動計画の発展
同年 6月150-200箇所でニューヨーク市伝道集会(6月7-29日)
(NADとGC総理Ted Wilsonによって調整される)
GC、NAD、ユニオン、カンファレンス、牧師、教会員の参加
都市伝道の国際実践学校の開催(現地と世界各地から参加)
ニューヨーク市での取り組みはその後の集会やセミナー、行事でも継続する。
同年 10月GC年次理事会で「都市への伝道」支部報告の発表
各支部で伝道集会の発動(2013年11月-2014年4月)
2014年 4月GC年央理事会で支部での伝道集会による「都市への伝道」報告の発表
同年 9月-12月130のユニオンで「都市への伝道」の伝道集会開催
現地の事情により、集会期間と開始時期はそれぞれ異なる。
同年 10月GC年次理事会で「都市への伝道」ユニオン報告の発表
同年 11月支部年次理事会で「都市への伝道」支部報告とユニオン報告の発表
ユニオンの総理が「都市への伝道」の取り組みのカンファレンス報告を発表
2015年 1月-7月500以上のカンファレンスでそれぞれ一つの主要都市における包括的伝道活動の実施

この提案は大都市に焦点を当てているがその原則は世界の全ての教会に適用することができる。我々は全ての教会がいたるところにいる失われた人々にイエスを証するという使命に活発に参加するよう励ましている。「都市への伝道」は世界総会の”Tell the World”という取り組みの一部であり、それには”Reach Up, Reach Out, and Reach Across” も含まれる。2015年の1月から7月にかけて我々は全ての教会員を何らかの方法で伝道活動に参加するよう励ましている。